結論
『パリピ孔明』のイメージのまま清廉潔白・博学多才な孔明を見たいなら横山光輝の『三国志』、ちょっと気持ち悪い孔明をみたいなら『蒼天航路』がおすすめです。
三国志とは
そもそも三国志とはその名の通り、約1800年前の中国において、魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)の三国が覇権を争った時代、通称三国時代の前後を叙述した歴史書である。
現代ではそれをもとにした小説もまとめて『三国志』と表現される場合が多い。
本来は歴史書『三国志』と小説『三国志演義』は別なのだが、この境界は曖昧になっている。詳しくはこちらを参照。
三国志
陳寿が記した史書。後漢の混乱期から西晋による中国統一までを扱っている。
三国志演義
明代の白話小説。『三国志』を基としながらも説話本や雑劇から取り込まれた逸話や、作者自身による創作が含まれている。
この時代の曹操・孫権・劉備らが争い合ったことは一般にも良く知られており、漫画・アニメ・ゲームでも人気のジャンルとなっている。
パリピ孔明の人気
『パリピ孔明』は、五丈原の戦いで病死した諸葛亮孔明が若き日の姿でハロウィン真っ只中の現代日本・東京都渋谷に転移し、そこで出会った駆け出しのシンガーソングライター・月見英子の夢を叶える軍師として活躍する姿を描く物語である。

孔明はカクテルの作り方くらいすぐ覚えるのだ!
週刊誌『週刊ヤングマガジン』にて連載中であり、2022年4月からはテレビアニメが放送されている。
三国志の蜀の天才軍師、『諸葛孔明』が現代の渋谷に転生して駆け出しのシンガーソングライターの軍師になるという、流行りの異世界転生ものの中でも度肝を抜く設定である。
あの諸葛孔明が!なぜか渋谷に!!
まさかの転生!!!渋谷で出会った月見英子の歌に心を奪われた諸葛孔明は、英子の軍師として仕える。
そして・・・。
天才軍師の圧倒的無双を誇る知略計略が音楽シーンに新たな伝説を誕生させる。原作はヤングマガジンまで勢力拡大中の「パリピ孔明」を、まさかのP.A.WORKSがアニメ化。
諸葛孔明役は、三国志のキャラクターを数々と演じてきた置鮎龍太郎。
月見英子役は、本渡楓と歌唱パートはネットで絶大なカリスマ性を誇る歌い手96猫によるダブルキャスト。予測不能の畳み掛ける驚きの知略計略。圧倒的な心揺さぶる音楽と歌。
溢れる爽快感と止まらない疾走感で贈る
笑えて!エモい!メンタル復活系エナジーエネルギッシュTVアニメが2022年爆誕!引用元:https://paripikoumei-anime.com/
現代に来たとはいえ、そこは諸葛孔明。
神算鬼謀と吸収力の速さで、あっという間に適切に英子をサポートしていく。今後の展開も楽しみな作品だ。
おすすめ三国志作品 横山光輝『三国志』
ただ、孔明の活躍を見ていると、他の三国志作品もみたくなるところ。
今回はおすすめの三国志作品を2つ紹介していく。
1つ目は横山光輝『三国志』だ。
三国志演義をベースに劉備の旅立ち、劉備の死後は蜀の滅亡までを中心に描写している。
1971年から1987年まで、潮出版社『希望の友』『少年ワールド』『コミックトム』に連載された作品で、はじめは児童向けに描かれたこともあり、描写が丁寧で、今読み返してみても面白い。

横山三国志の張飛。 特徴的な見た目になっているが、登場人物の多い三国志で他の登場人物とかぶることがなく、わかりやすい
また、張飛が孫悟空の緊箍のような輪を身につけた、向こう傷の大男に描かれたり、ひげを生やした十常侍、ひげ面で巨漢の呂布、そして痩せている董卓など、一部の登場人物の外見は『三国志演義』には基づいておらず横山独自のものになっており、そうした工夫もあって全体的なストーリーを把握するには読みやすく最適かもしれない。
おすすめ三国志作品 王欣太『蒼天航路』
こちらは横山三国志とは打って変わって、正史をベースに魏を設立する「曹操」の目線で物語が進行していく。
その時代を生き抜く英傑たちを力強い画筆で魅力的に描かれていており、躍動感のある画風とセリフはまるで自分はその時代を生きているようにさえ感じるほど。
単なる悪人として描写されがちな曹操が、才あるものを強く求め、「唯才」を合言葉に、中国大陸において絶対的な儒教の教えと対立していく過程も描かれており、曹操の見方が大きく変わる。

熱い曹操! 冷血な悪人というイメージが払拭される。
かなりおすすめなのだが、孔明のキャラクター像は『パリピ孔明』とはかなりかけ離れているので注意してほしい。
蒼天航路 孔明の所業抜粋
・初期は特に幻想の世界を眺望する超越者のような見た目、赤壁では昆虫のような目にもなる。
・初登場時は常に異国の女性数人と行動を共にし、ときには大人数でセ○クス。
・劉備に卑猥な言葉で天下を語り、自身の固くなったち○こを見せつける。

天下を語る孔明
とはいえかなり面白い作品なのでおすすめなことには変わりない。ぜひ!