圧倒的に「セックスって案外大したことないぜ?」です。
僕の人生で聞いた、最もダサいセリフだと思っています。
当時僕は大学一年生。
サークルには所属していたものの、約2ヶ月と長過ぎる夏休みの計画を立てるのが億劫でなんと一ヶ月丸々帰省し、親にも友達はいないのかと心配されていました。
友達はなんとかいましたが、彼女はもちろんいなかったので、帰省中は食べて寝てゲームしてまれに勉強してという小学生の夏休みと何ら変わりない過ごし方をしていました。
当然しっかり童貞でした。
セックスにはめちゃくちゃ興味があったものの、まあそのうちなんとかなるという謎の自信をもって毎日元気に3回も犬の散歩をしました。
ちなみに愛犬は普段一日2回の散歩です。
僕の暇つぶしに散歩に付き合わされているだけなのに毎度気の毒なくらい喜ぶ健気なわんこでした。(存命です)
そんな暇すぎる帰省中のある日、高校時代の友人から「会わないか?」と連絡が入ります。
高校卒業以来、半年ぶりのLINEに「マルチの勧誘ではないか」と思いましたが、向こうは自分と同じタイプの陰キャ(慣れている人ならむしろ饒舌なタイプ)、頭もよかったですし、マルチならわざわざ会う頻度の少ない帰省中の友人に声をかけたりしないだろうと踏んで会いに行くことを決めました。
待ち合わせ場所はなんとスタバ。
すでに嫌な予感がします。
合流後はとりあえず近況報告からと思ったのですが、いきなり違和感に気づきます。
・・・やたら恋愛に話をつなげてくる。
「大学の男女比どれくらい?」
「サークルに可愛い子いるの?」
「てかお前って今彼女いるの?」
あきらかに自分の恋愛話に持っていこうとしています。
彼女のできる気配もない僕は、ぜったいに自慢話を聞きたくなかったので話をずらそうとしましたが、いかんせん暇すぎる夏休みを過ごしていたため話す内容はスカスカ。
昨日厳選したCSジバコイルの話をして時間を稼ごうとしたところを、強引に
「俺最近さ彼女できたんだよね。」
もうこうなっては聞くしかありません。
「彼女とはサークルの同期で一目惚れした」
「自分から告白して、1週間後にOKもらえた」
「でも付き合ってからが難しいよね恋愛って」
「まあお前もすぐ彼女できるって、それにさ…」
「セックスって案外大したことないぜ?」
・・・ビビり散らかしました。
タイミング的にこいつがDT卒業したのはつい最近のはず。
僕と同じやりたいサカリの東洋の猿だったはず。
それなのにこいつ、もうセックス上級者感だしてきやがった。
当時は悔しさと羨ましさで眠れない夜もありましたが、社会人になるとあのセリフのイキりっぷりにむしろ好感を持ちます。
セックスを知ってもう何も怖くなくなったんでしょうね。
自分はセックスを知った男だという自信に溢れていたんでしょうね。
そして童貞の僕に、わざわざそれを言うためだけに半年ぶりにLINEしてきたんでしょうね。。
(でもやっぱりちょっと悔しいです)
ちなみに大学時代に聞いたダサいセリフランキング2位は、
「え、〇〇くん、太鼓の達人の難易度『オニ』でやるの?」
「え、普通じゃない?」です。
・・・普通なわけあるか。一応隠しコマンドだし、ゲーセンのカップルが”普通に”『オニ』でプレイしてたら引くでしょ。